WordPress 4.7 アップデート。大幅変更の内容をご紹介
2016.12.09
2017.02.05更新
12月8日にwordpressの日本語版が4.7にアップグレードしました。
前回に引き続き、注目の点等をわかりやすくご紹介していきたいと思います。
ダウンロードして試そうとした際にちょっとびっくりしたのが、こちらです。
なんと奨励動作環境のPHPのバージョンが7以上になっていました。
PHP7は昨年の12月にリリースされたバージョンで、5.6からバージョンアップするだけで速度が2倍になるという事で話題になりました。
PHP界隈は割とレガシーな環境で運用している事が多く、奨励環境がPHP4.xから5.xに変わるのも数年かかった記憶があります。
すでに7.0リリース時からwordpressが問題なく動いている事はわかっている(というか、ベンチマークに使われている)ので移行に関しては混乱はなかったのでしょう。
そして追い打ちの一文が、、
「サイトがセキュリティの脆弱性にさらされる危険があります。」
運用中の方は5.6以上であればまだしばらくは大丈夫かと思いますが、今後インストールする方は7.0にすべきすね。
さて、本題に戻り4.7をいれてみましたので新機能の紹介をしたいと思います。
例によって公式に2つ解説があります。是非見てみましょう。
4.7で新しく追加された機能を使ったTwenty Seventeen
今までの公式テーマをご存じの方なら驚くこと請け合いです。
このテーマはWordPressを4.7インストールするとデフォルトで選択されているのですが、「外観」>「カスタマイズ」を開くと、なんと自動的に固定ページに下のページが追加されます。
お問い合せはともかく、「会社概要」は個人でブログ記事を書いている人にはあまり必要ないですね。
それはともかく、このメニュー構成からもわかる通りかなり企業ユースを意識したテーマになっています。今までのWordPressのブログシステムというスタンスから、汎用的なホームページ構築用のCMSを押してきたという事でしょうか。
このような感じでカスタマイザーを開くとカスタマイザーの設定のない場合に、指定した設定が入る機能が4.7から追加されたようです。
functions.php
等に下記
add_theme_support( 'starter-content', array( /*...*/ ) )
を追加して設定します。
今までは、テーマを作成して配布した時に、想定したデザインのようになるのに若干手順が必要でしたが、この機能で最初からサンプルを作ってあげていれば便利ですね。
次に目を引くのがビューアーの部分にマークがついているのがわかります。ここをクリックすると、カスタマイザーの適切な設定箇所が開くのがわかります。
ここの部分を変えたいのにメニューのどこにあるかわからない、といった事が解消されそうですね。
この機能は以前のテーマ(例えばTwenteen Sixteen)のテーマでも利用できるようです。
動画ヘッダー
カスタムヘッダーの編集時に動画のurlが入れらえるようです。トップページでいきなり動画が動くページも最近多くなっているので、
インパクトありそうです。
カスタマイズからのメニューー作成時のショートカット
固定ページ、投稿の新規作成は、それぞれのメニューから新規追加を行いますが、カスタマイズからメニューの編集時に、
新規作成機能がつきました。
メニュー構成だけを取り合えずサクサク作りたい時には、地味に便利そうです。
この機能は、「外観」>「メニュー」の設定の方からは残念ながらつかえないようです。
カスタム CSS
デザイナーやコーダーさんのように日常的にcssに触れている人なら喜びそうな機能です。
cssの変更がビューで確認しながら行えますので、style.cssファイルを直接さわらないで、管理画面からすぐに変更できます。
PDFサムネイル
こちらも地味にうれしいですね。
試してみたのですが、残念ながらこちらでは表示されませんでした。
このpdf表示には
Imagick, Imagemagick, and Ghostscript.
のライブラリが必要との事。
REST API コンテンツエンドポイントの導入
REST APIで外部からアクセスする場合の、URLを用意したという事ですね。
を見た感じすっきりしたようです。
「プラグイン、テーマ、アプリ等を通じてサイトと相互に作用する、新しく革新的なメソッドに道を開きます。」
とあります。残念ながら私にはこれを使った良いアイディアが今のところありません。
投稿タイプテンプレート
今まで固定ページのみだった選択式のテンプレート設定機能が、投稿用に拡張されました。
これでここの記事に対し、別々のテンプレートを管理画面から設定できるようになりました。
今までは、フォーマット等で選択をしていたのが、これで完全にバラバラにする事ができます。
サイト制作側からすればありそうでなかった、大きな改善ですね。
こちらもテーマ制作の手法の幅が広がりそうです。
WP_Hook
英語版の解説を見ると次の世代の actionと filterとの事ですが、
add_action や remove_actionを使っていたのを$wp_filterというグローバル変数を利用しても
できるようにした、という事でしょうか。
まとめ
今回の4.7のアップデートは4.6の時の地味な変更とは違いテーマの開発に大きな影響を与えるような変更になりました。特に初期サンプルコンテンツの自動投入は、一気にいままでの導入負担を下げてくれるでしょう。
また新テーマTwenty Seventeenのコンテンツ例でもわかる通り商業ユースを意識した作りになっていて、シンプルですが完成度の高い作りになっています。まだまだCMSとしてシェアを拡大していくと思われます。